不動産の名義変更は義務ではありませんし、しないでいると罰則を受けるというものでもありませんが、名義変更をしないデメリットは多くあります。
不動産の名義変更は、正確な言い方をすると所有権の移転登記ですが、もし、これから不動産の売買取引や相続手続きなどの予定がある方は、本記事に目を通してみてください。
不動産会社に勤務しているシュンペーです。
お客様を相手にしていつも思うのが、納得いただける説明ができているだろうかという点です。
頭で思ったことを正確に伝える練習の一環として、ブログを始めました。
不動産屋の説明がわかりにくいと感じる方のため、痒いところに手が届くようなブログにできればいいなと思っています。
資格 ~ 不動産コンサルティング、宅地建物取引士、2級建築士、賃貸不動産経営管理士など。
所有権移転の手続きはどこで行うのか、どれくらい費用がかかるのか、知識のないまま手続きをして損をすることもありますし、最悪な場合には不動産を売りたくても売れない、買いたくても買えないといった事態に陥るケースも起こり得ます。
ここでは、所有権移転登記の重要性について、 のケースについて紹介しています。
不動産の名義変更は所有権の登記

あなたが家電量販店でテレビを買ってきて、バラエティ番組を観ても文句を言われることはありません。
着れなくなった古着をネットオークションに出品するのも自由です。
なぜなら、あなたがお金を出して買ったテレビも洋服も、自分のものだと言えば誰もが認めるからです。
ところが不動産の場合には、法務局であなた名義に登記しなければ、本当の意味であなたのものだとは言えないのですね。
登記をしていないと、法的には所有権を第三者に主張できないとされているからです。
その場合、悪意のある第三者に土地や建物を占有されたり、あるいは売買されることもあり得ることで、そうなっても対抗する術がないのです。
まさかそんな、と思われるかもしれませんが、そこにつけこんだ犯罪の例は過去にいくらでもあるのが現実です。
他人に対して、この不動産は自分のものだと主張するために、名義変更による所有権の移転登記はとても重要な手続きなのです。
名義変更しなければ売るに売れない

人が亡くなると、普通なら遺産が配偶者や子供に相続されることになります。
遺産の中に不動産があれば同じく相続の対象となりますが、不動産の名義変更をしないまま過ごしている人は意外に多いです。
遺産相続のときに行う名義変更のことを相続登記といいますが、もしあなたが不動産を相続し、相続登記をしないままにしていると、あとでその不動産を売買しようと思ったときに売却することができないという状況に陥ることがあります。
というのは、不動産を売却するためには、その時点で登記簿上に登記されている所有者が売主とみなされます。
登記簿の名義と違う者は売主にはなれないのです。
僕もこれまで、不動産の売却依頼を受けたものの名義変更がなされていないため、すぐに売買活動に移れなかったケースに何度か出会っています。
その中のひとつに、住んでいる家を売りたいと相談に来たNさんのケースがあります。
Nさんは長男で、所有者であった親御さんが亡くなった後もその家で暮らしてきたのですが、名義変更はされていませんでした。
そこで、まず相続登記をしてNさんに名義変更する必要があることを告げ、早速その手続きに移ることになったのですね。
ところが後日、Nさんが「面倒なことになった」といって再び来店されたのです。
相続手続きの段階で、兄弟の中から土地と家の所有権を主張する人が現れたのですね。
兄弟は、自分たちにも相続権があるのだから勝手に家を売らないでほしい、思い出が詰まった大事な家を売ることには反対だと言ったようです。
実は、このようなことは珍しいことではなく、相続登記が済んでいないのであれば、兄弟が不動産の権利を主張することもあるでしょう。
Nさんは、家を売ったお金をマンション購入に充てるつもりだったのですが、兄弟の同意を得て自分名義になっていない以上、売却することはできないのです。
若い頃には仲のよかった兄弟でも大人になれば考え方も変わるし、とくにお金の絡むような場面では配偶者の意見が介入することもあります。

相続手続きは相続権を持つすべての人の同意が必要です。
相続登記をせずに長い年月が経つ間には、相続権を持つ誰かが海外などの遠方にいて連絡がつかないという場合も起こり得ます。
連絡がつかないことには、勝手に相続手続きを進めることはできません。
また、相続人の中で亡くなる人が出たりすると、その子供に相続権が移ったりして、手続きがさらに複雑になり難航することも考えられます。
ですので、もし遺産相続が発生したら、不動産に限ってはできるだけ早いうちに相続人同士で話し合いの場をもち、相続登記しておくことをお勧めします。
相続登記にはある程度の時間がかかりますから、いざ売却しようと思ったとき名義変更が済んでいないと、買い手が現れても売るタイミングを逃してしまうことになるからです。
結局、このNさんのケースでは、その後に遺産分割協議が整ってから、やっと売買活動に入りましたが、最初にお話をいただいてから2年以上の歳月が経過していたと記憶しています。
残念ながらその間に、Nさんの欲しかったマンションは他人の手に渡ってしまいました。
100%宅建士保有。プロエーエージェントが対応。360度VR内見対応&囲い込み無&片手型報酬型仲介で、平均成約日数33日のスピード成約実現!
名義変更しないとお金借りれません

次に、不動産を購入するときに名義変更のもつ意味についてお話します。
不動産会社に勤務する僕の場合、立ち会う機会が多いのが、土地とか建物の売買をお世話したときの所有権移転登記による名義変更の場面です。
不動産という高額な買物をするときには、ほとんどの人が銀行などの金融機関でお金を借りて(融資を受けて)購入代金を支払います。
もしもこのとき名義変更をしなかったら所有者が確定せず、金融機関側からすると融資をする相手が特定できないので、お金を貸してくれません。
金融機関が融資をするときには担保が必要になり、融資をする対象である不動産の登記簿に、誰にお金を貸したのかの証明を残す必要があるのですね。
専門的な言い方をすると、売主さんから買主さんへ所有権移転登記すると同時に、その不動産を担保にとった金融機関が、お金を貸すかわりに抵当権設定登記をするのです。
なので、不動産売買で買主が金融機関からお金を借りるときには、所有権移転登記と抵当権設定登記が必ず同時に行われます。
まとめ

土地や建物といった不動産について、所有権を主張するためには登記簿に名義が登記されている必要があります。
第三者に対して、この不動産は自分が持主であるという証明ができなければ売ることはできず、購入するためのお金も借りれないのですね。
なので、不動産を所有するときには登記が重要な意味を持つことになるのです。
名義変更は相続や売買のほかにも、生前贈与や財産分与のときにも必要になってきますが、それらについては下記のページで触れています。
不動産の売買や相続がされると、新しい持主(所有者)に名前を変えることになります。 これが不動産の名義変更ですが、ただ単に名前を変えるのではなく、不動産では動産の場合とは違い、少し複雑な手続きが必要になってきます。 この記 …







