札束

不動産を扱う仕事上、僕はお客さんから「賃貸契約の仲介手数料の相場はどれくらいですか?」と訊かれることがあります。

賃貸借契約が成立したときに、不動産会社が受け取れる報酬が仲介手数料ですが、これは宅地建物取引業法という法律で家賃の1ヶ月分相当額が上限と定められているのですね。

なので、家賃が高額になるほど仲介手数料も高くなるのですが、仲介手数料が半額や無料になる場合もあるので、もしそうなれば契約の初期費用を抑えることが可能になります。

アパートやマンションへの引っ越しを希望していて、「初期費用がかかるので無理かなあ」と二の足を踏んでいる人でも諦めなくて大丈夫です。

ここでは、賃貸契約にかかる仲介手数料の相場や、仲介手数料が半額とか無料になる仕組みについて解説しています。

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ブログ運営者不動産会社に勤務しているシュンペーです。
お客様を相手にしていつも思うのが、納得いただける説明ができているだろうかという点です。
頭で思ったことを正確に伝える練習の一環として、ブログを始めました。
不動産屋の説明がわかりにくいと感じる方のため、痒いところに手が届くようなブログにできればいいなと思っています。
資格 ~ 不動産コンサルティング、宅地建物取引士、2級建築士、賃貸不動産経営管理士など。

この記事はこんな人にオススメです
  • 賃貸契約の仲介手数料の相場が知りたい
  • 仲介手数料を支払う時期が知りたい
  • 仲介手数料を無料にする方法が知りたい

賃貸契約の仲介手数料とは?

賃貸契約する若い夫婦

アパートや貸家などの住まいを探すときには、不動産会社仲介で物件を紹介してもらうことが多いと思いますが、そのとき不動産会社へ支払うのが仲介手数料です。

仲介手数料は、不動産会社が物件の紹介や内見説明、賃貸契約に必要な書類の作成などにかかる手間賃として受け取ることのできる報酬のことなんですね。

直接大家さんと借主さんの個人間で貸し借りを行うと、後々になっていろいろなトラブルが発生する場合があります。

僕も年に1、2回程度、個人間で賃貸契約していたもののトラブルになり、解決を求めて訪ねてこられる大家さんの相談にのることがあります。

不動産会社が仲介すれば、貸主と借主双方における権利や義務、法律に関することなど一般の人では思いが及ばない細かな点までを説明したうえで賃貸契約を結ぶので、事後に発生するトラブルの件数は格段に減ります。

また、不動産会社が大家さんの委託を受けてアパートなどの管理まで行っていれば、仮にもめ事が起こっても間に入って丸く収まるよう努力します。

利害関係にあるもの同士が直接ぶつかるのではなく、第三者がクッションの役割を果たすことで良い方向へ向かうのですね。

そう考えると、不動産業者へ支払う仲介手数料の意味合いも理解できるのではないでしょうか。

仲介手数料の相場は家賃1ヶ月分

宅地建物取引業法

不動産業者が受け取ることのできる賃貸契約の仲介手数料の金額は、家賃の1ヶ月分と法令で定められています。

宅地建物取引業法 第46条 第4項
引用元 : (公社) 全国宅地建物取引業崎陽海連合会

法令とは「宅地建物取引業法(以下、宅建業法)」のことで、不動産業者は正式には「宅地建物取引業者」というのが正しい呼び名であり、業務を行ううえで遵守しなければならないのが宅地建物取引業法です。

いずれにせよ、仲介手数料はこの宅建業法によって、業者の受け取れる報酬金額は家賃1ヶ月分が上限とされています。そして支払い方には主に3種類があります。

仲介手数料の支払い方
  1. 借主が100%支払う
  2. 貸主が100%支払う
  3. 借主50%、貸主50%の折半

このように、仲介手数料の支払い方には大家さんや業者のやり方とか、賃貸物件のあるエリアによっても違いがあります。

賃貸借契約の初期費用

仲介手数料は賃貸借契約を結ぶときにかかりますが、契約時にはその他にも初期費用が必要になります。

物件によっては高額な費用を請求をされる場合もありますが、希望する部屋に入居したいと思えば避けては通れません。

ここでは、賃貸契約時にかかる初期費用の内容や、初期費用が安く設定されているケースなど、基本的な知識についてご紹介します。

賃貸契約の初期費用とは?

賃貸の契約時には、月々の家賃以外に大家さんに渡す敷金や礼金、不動産会社への仲介手数料などが必要になります。

これらのお金を「初期費用」といいますが、表にまとめて解説します。

名 目 内 容
前家賃 家賃は原則的に前払いなので、仮に6月に契約して7月から入居するのであれば、契約時点で7月分の賃料を先に支払う必要があります。もし、月の途中から入居する場合には、日割り計算分を負担します。
敷 金 敷金は、お住まいの地域エリアごとで条件が異なりますが、およそ家賃の1~3カ月分が目安になります。敷金は契約が終了して退去時に全額返還されるお金ですが、一般的には原状回復にかかった金額が差し引かれて戻ってきます。大家さんに預けるお金です。
礼 金 家賃1カ月分が目安ですが、エリアによっては礼金制度のない地域もあります。敷金と異なるのは、退去時に返還されない点です。大家さんに支払います。
家賃保証料 最近の賃貸契約では、連帯保証人を立てる代わりに家賃保証会社を利用するケースが多くなりました。保証会社は、家賃の支払いが滞ったとき入居者の代わりに立替え払いをしますが、最初に保証会社へ支払うのが家賃保証料です。保証料は会社ごとに負担割合が異なりますが、おおむね家賃の4、5割程度の負担額になります。契約が終了しても返還されません。
火災保険料 これも賃貸契約においては必須となりましたが、入居中の借主の過失などで失火や水漏れが起こり、賃貸オーナーに被害が発生したときのための保険です。入居者が単身の場合で1.5万円、家族のときは2万円程度を損害保険会社に支払います。
仲介手数料 不動産会社へ支払う仲介手数料は、家賃の0.5カ月~1カ月分で、上限額が1カ月分までと法令で定められています。なお、消費税は別途必要です。
引っ越し代 その他に必要なお金として引っ越し代がありますが、これは個人の所有する荷物の量や移動する距離によって料金が異なるので、ここで金額がいくらと表すことはできません。
家具・家電 家具や家電製品も、各人でどの程度揃えるかにより費用面が異なりますが、新しい住まいに移るときには、考慮しておく必要があるでしょう。

以上が初期費用と言われるものですが、引越し代や家財のお金を除くと、家賃のおよそ4~6カ月分に相当する金額になりますね。

ただ、契約によっては敷金や礼金、さらには仲介手数料までゼロ円というケースもあるようです。

そうだと初期費用はかなり減額できるので、借主にとってかなりなコスト削減になりますが、注意するべき点もあります。

初期費用の減額で注意する点については、賃貸契約の仲介手数料0円の落とし穴|甘い言葉の裏の秘密を暴露!のページで説明しています。

初期費用を安くする3つの方法と注意点

賃貸契約のためには、仲介手数料をはじめ初期費用が必要です。

ただ、諸事情により今すぐ引越ししたいけど十分な手持ち資金がないという場合や、蓄えはあっても、それを初期費用には使いたくないこともあるでしょう。

そんなときは、次の3つの方法を検討してみると良いかもしれません。

フリーレント物件を探す

フリーレントとは、賃貸物件の家賃を一定期間無料にする条件で契約することです。

賃料が無料になる期間は1〜3ヶ月程度で、店舗・事務所などでは以前からあったこの方式は、最近では一般の賃貸住宅でも、借主を募集する際のひとつのアピールとして増えてきました。

フリーレントでは、当初の家賃が無料になることで、賃貸契約時の初期費用が抑えられるというメリットがあります。

ただデメリットとして、契約期間を短期で解約した場合には違約金を請求される条件が付いていたり、家賃が高めに設定されていたりするケースもあります。

家賃が相場よりも高めに設定されていると、当初2~3ヶ月分の家賃が無料であっても、最終的には通常より多く支払うことになることがあります。

たとえば、本来の家賃が50,000円のところを55,000円に設定されていたとすると、たとえ初めの3ヶ月分が無料であっても、3年経過した時点での総支払額を比較すると15,000円多く支払うことになり、それ以降はどんどん差額が大きくなっていきます。

少し考えれば分かりますが、当初の家賃を無料にするのは客引きのためであって、そもそも人気のある物件であればフリーレントで募集をする必要はありません。

契約するしないは入居者の考え方次第ですが、フリーレント物件に入居する場合には、将来的な見通しなども検討してから決断したいところです。

分割払いを利用する

ある程度の蓄えはあるけど、それを持ち出したくないという場合には、分割払いを利用することで初期費用を抑えることができます。

初期費用の一部、もしくは全額をクレジットカードで分割払いすることで、現金には手を触れず、そのうえポイントやマイルを溜められるメリットもあります。

ただ、不動産会社によってはカード払いができないところもあるので、その点はよく確認してくださいね。

設備付きの物件を探す

賃貸物件には、ある程度の家具や家電が備え付けられているものがあります。

とくに単身者など、最低限の家電製品があれば十分という人などは、こういった物件を選択することで出費を節約でき、初期費用を抑えることができます。

ただ、その代わりに家賃が高めに設定されている可能性もあるので、そこで長期間暮らすのか短期間で退去するかにより、選択を検討するべきでしょう。

家電付きの部屋

 

実はこれら3つの方法以外に、大家さんに初期費用の値引きを交渉するという手段もあるにはあります。

ですが、敷金が1ヶ月分だとか礼金はゼロ円だとかの賃貸物件の場合だと、なかなか交渉に応じてもらえないことが多いはずです。

ひと昔前と比較して、現在は物件が星の数ほどある時代なので、入居者獲得のため賃貸経営者もライバルに打ち勝つには、敷金や礼金などの条件を最初から緩めにしているところも多いのですね。

賃貸業も事業として行う以上、ある程度の利益は確保する必要があります。

なので、初期費用を抑えたいと思うときは、可能性の低いやり方よりも上記3つの方法のどれかを選択することをオススメします。

仲介手数料には消費税がかかる

仲介手数料にも、商品を買うときと同じように消費税がかかってきます。

たとえば現行の消費税率でいくと家賃が50,000円の場合で、

50,000円 × 110% = 55,000円

となり、55,000円が仲介手数料となります。

消費税も結構バカにならない額ですが、僕たち業者に入るお金ではないので、もし苦情を言うなら国に言ってくださいね。

仲介手数料は契約と同時に支払う

仲介手数料を支払う時期は、賃貸契約の成立と同時です。

何らかの事情で手数料がそのとき払えない場合、不動産業者によっては後日まで待ってくれる場合があるかもしれませんが、契約の前に払うのだけは絶対にしないでください

契約を結ぶ前に仲介手数料を払ってしまうと、後で心変わりして契約をキャンセルしたとき、業者によっては「違約金」という名目で返さなかったり、返しても半額のみだったという話を聞くことがあります。

これは悪質といってもよく、契約が成立していない以上「違約金」が発生する根拠はありません。

仲介手数料の支払いは、賃貸契約の成立と同時が原則です。

仲介手数料は値引き交渉できる?

ううむ・・・正直に言うと、これについてはあまり触れたくなかったのですが、「仲介手数料の値引き交渉ができる余地はある(汗)」とお答えしておきます。

察しの良い方であれば、前項「仲介手数料の相場」のところでお気づきかもしれませんが、宅建業法では受け取ることのできる仲介手数料は家賃1ヶ月分が上限と定められているだけなんですね。

そう、手数料の下限についての定めはありません。

「なんだ、それなら仲介手数料はまけてもらえるのか」という声が聞こえてきそうですが、あなたがサラリーマンなどの給与所得者だとしたら、「今月の給料まけてくれよな」と会社から言われたとしたらどうでしょう?

「はい、わかりました」と、素直に応じられるでしょうか?

たいていの不動産業者はお客さんのために精一杯努力して仕事をしています。そして、仲介手数料の収入こそが会社や社員が生活していくための糧なんです。

そこんとこ、どうかご理解のほどを。m(__)m

仲介手数料を無料にする3つの方法

仲介手数料を無料で賃貸契約できるのは、以下の3つの場合です。

仲介手数料が無料のケース
  1. 大家さんと直接契約する
  2. 大家さんが手数料を払う物件を選ぶ
  3. サブリース物件を契約する

それぞれ解説していきますね。

大家さんと直接契約する

大家さんと直接契約すれば、間に不動産業者が介入することはないので仲介手数料が発生することはありません。

また、不動産業者自らが所有する賃貸物件、いわゆる自社物件を契約する場合も、不動産業者=大家になるので仲介手数料は必要ないですね。

仲介手数料は、「仲介」という行為があってはじめて発生します。

大家さんが仲介手数料を負担する

アパートや戸建ての貸家になかなか入居者がつかず、長期間にわたって空き室の状態が続いているときには、大家さんが仲介手数料を100%全額払う場合があります。

そうすることで借主の初期費用を安くし、早く入居者を見つけるためです。

こういった物件を選んで契約すれば、仲介手数料がかかりません。

ときどき、不動産広告で「仲介手数料の半額値引きキャンペーン」というのを見かけますが、この場合も残り半額は大家さんが負担しているわけです。

不動産業者のサブリース物件

アパート1

サブリースとは、不動産業者が大家さんから建物を借りて、第三者へ転貸(又貸し)することをいいますが、主に、アパートのような複数室ある物件を一括借り上げ方式で行うのが一般的です。

不動産広告で「仲介手数料0円!」となっているのが、たいていこのサブリース方式で、不動産業者が仲介者ではなく貸主となるため仲介手数料が発生しません。

もともとの大家さんとしては空き室があろうとなかろうと、毎月一定の家賃が入ってくるメリットがある反面、実際の家賃の8割程度の収入になるというデメリットもあります。

残りの2割程度はどこへ行くのかといえば、それが不動産業者の収益になるのですね。

空き室が発生しても、もともとの大家さんに対しては定額の家賃を支払わなければならない不動産業者のリスクを考えて、そのように設定されているのです。

駐車場にも仲介手数料は必要なの?

賃貸契約の場において、ときどきこの質問を受けることがあります。

たいていの場合、備え付けの駐車場を利用する権利は本賃貸契約に含まれていると思うので、別途に仲介手数料が必要になることは、ほとんどの場合ないと思います。

ただ、そこそこで契約の仕方が異なるケースもあるので、以下のように考えるとよろしいかと思います。

駐車場の仲介手数料
  1. 契約書に「駐車場を含む」と明記されている ⇒ 必要なし
  2. 駐車料金が1台は無料だが2台目は有料の場合 ⇒ 必要な場合あり
  3. 契約書に駐車場は含まないと明記されている ⇒ 必要あり

    ちなみに僕の会社では2台目が有料の駐車場であっても、その際の仲介手数料は頂いていません。

    駐車場の仲介手数料については、大家さんや不動産業者の考え方、地域エリアによっても異なるので、賃貸契約の時点でよく確認するようにしてください。

    まとめ

    美術館の絵

    いかがでしょうか。賃貸契約のときに必要となる仲介手数料の相場や、なぜ無料の場合があるのか理解いただけたでしょうか。

    賃貸契約という大家さんと借主さんの双方に複雑な権利義務が関わってくるケースでは、なかなか難しい決まり事などもあります。

    賃貸契約の仲介手数料は、その後に快適な生活を送るための必要な経費と捉え、不動産業者へ足をお運びいただけたらと思います。

    また、仲介手数料が無料であれば賃貸契約の際の初期費用が安く抑えられるというメリットがある反面、デメリットもあります。

    よろしければ、賃貸契約の仲介手数料0円の落とし穴|甘い言葉の裏の秘密を暴露!のページも参考にしてください。