僕は仕事上、土地の価格査定をすることがあります。
不動産会社に勤めていれば住宅用の土地を購入したい人、またはその逆で土地を売って換金したい人などから、土地価格査定の依頼を受ける機会がよくあります。
その際、売る人買う人どちらの場合でも、共通する関心事は土地の価格です。
不動産会社に勤務しているシュンペーです。
お客様を相手にしていつも思うのが、納得いただける説明ができているだろうかという点です。
頭で思ったことを正確に伝える練習の一環として、ブログを始めました。
不動産屋の説明がわかりにくいと感じる方のため、痒いところに手が届くようなブログにできればいいなと思っています。
資格 ~ 不動産コンサルティング、宅地建物取引士、2級建築士、賃貸不動産経営管理士など。
売りたい人はできるだけ高く売り、購入を考える人はできるだけ安く買いたい。それぞれの立場になれば、しごくもっともな話です。
そこで僕に与えられる使命は、根拠に基づいた土地の査定価格を提示することになるわけですね。
この「根拠に基づいた」というのが大事なところで、不動産業者が土地の査定価格を提示する際には、必ず根拠を示さなければならない義務が課せられています。
土地の価格は「相場価格」、「公示価格」、「評価価額」などの種類があるのですが、僕がふだん査定するのは不動産取引をいくらでするかを決める売買金額です。
売買金額は、いわゆる相場価格として反映していきますが、相場価格は市場価格と言い換えることができますね。
このページでは、土地価格の査定がどのような根拠に基づいて決まるのかについて説明しています。
- 土地の坪単価についての考え方
- 土地選びで大切なこと
土地価格の元になる坪単価とは?
土地の価格を査定するうえで目安となるのが坪単価です。
坪単価とは、その土地の一坪あたりの価格を指す値ですが、土地面積に坪単価を乗じたものが土地の価格になります。
一坪は畳で約2畳分の面積をいうのですが、同じ地域内にある土地だと坪単価はすべて等しい値になるのかというと、決してそんなことはありません。
たとえば、○○町1丁目の土地が坪単価30万円で売買されたとして、自分の土地も1丁目にあるから坪30万円だとは限りません。
△△町3丁目で友人が坪単価20万円の土地を購入したので、自分も3丁目で坪20万円の土地を買いたいと探しても、なかなか見つからなかったりします。
以下にその理由をあげてみますね。
坪単価は条件により違ってくる

不動産とは建物と土地を指す言葉ですが、両者の違いは建物に様々な種類や特徴があるように、地球上にはそれよりはるかに多くの種類や特徴をもつ土地が無限にあるということです。
地球上にさまざまな性格の人が存在するように、土地にもさまざまな性格、特徴があるということです。
人であれば、あちこち好きなように移動することができるし、建物は同じものを建てられますが、土地は文字どおりのオンリーワンで、地球上でそこだけにしか存在しません。
たとえば、同じ面積の土地で比較しても、Aという土地の場合は正方形でも、Bという土地は長方形とか三角形というふうに形が違うことは多々あります。
同じように、Cという土地は2方道路の角地に位置しているのに対し、Dという土地は1方道路のみに面している。
さらにEは南向きであるのに対し、Fは反対の北向きであるというふうに、まったく同じ土地はひとつとしてありません。
そして上記の例でいうと、整形地に比べ三角地は評価が低くなり、北より南に向いた土地のほうが評価は上がります。
このような理由から、土地価格の査定をしたときAやB、CやDが同じ場所、隣どうしの土地であったとしても、特徴の違いから同じ坪単価にはならないということです。
ほかにも、繁華街や病院に近いか遠いか、駅までのアクセスが良いか悪いかなどや、接している道路の幅(幅員)など、諸条件によって土地の坪単価は違ってきます。
土地とは実に個性的であり、坪単価に違いが出るのは当然のことなんですね。
坪単価は面積にも影響される
次に、道路の向きや土地の形などはまったく同じだけど、面積だけ違う二つの土地があった場合のことを考えてみます。
一方は50坪の土地で、もう一方は300坪の土地とします。
50坪の土地が坪単価30万円で総額1,500万円だとして、300坪のほうも坪30万、総額で9,000万円というふうになるのでしょうか。
それはそれで非合理性はありませんが、市場においては必ずしもそうはならない場合があります。
これは市場における需要と供給のバランスが関わってくるからですね。
300坪の土地は面積が広いぶん総額が大きくなるので、なかなか買い手が見つからないということが予測できます。
そこで、購入しやすくするため坪単価を安く設定し、総額を下げることがあります。

これはスーパーで野菜や果物を買うとき、少ない個数よりまとまった数買うほうがお得になるよう値付けされているのと似ています。
ペットボトルの飲料水などもそうです。500ml入りのボトルより2リットルのボトルのほうが、量を考えると値段的にお得感がありますよね。
販売者側で、商品がたくさん売れようにそのような工夫がされているのです。
土地の場合でもそれと同じで、先の例だと300坪の土地の場合、仮に坪単価を1万円下げれば総額は8,700万円になります。
9,000万円よりもお得感が出て、売れやすくなりますよね。
売買金額で300万円の差額が出れば、それを不動産業者に支払う仲介手数料に充てることもできます。
以上から、同じ条件の土地であっても面積の違いにより、坪単価が変わってくる場合もあると言えます。
土地を購入するときに、面積が広いため総額が高い場合には値引きの余地はあると思うので、遠慮せず取引交渉の場で切り出してみることをお勧めします。
土地選びは坪単価よりも環境重視

土地取引では諸事情により、「売り急ぎ」や「買い急ぎ」という状況があります。
早く売りたい売主さんであれば、相場価格より少々安い値段でも手放すでしょうし、早く家を建てたい買主さんであれば、逆に高くても手を打つというケースも起こりえます。
相場価格というのは売り手と買い手の合意取引きによる既成事実でつくられていくので、極端な言い方をすれば土地の坪単価の相場に決定的な根拠はないともいえるのです。
僕の考えを言わせてもらうと、土地を選ぶ際には「前面道路の幅員や種類」、「道路に接する間口の幅」、「日照条件」、「近隣の嫌悪施設の有無」、「上水・下水施設」など、周囲環境やインフラ状況をしっかり確認するほうが、坪単価云々より大切だと思います。
土地の取得を検討するときは価格も大事な要素のひとつですが、どういう特徴を持った土地であるのかをよく理解し、本当に自分たちの目的に適した物件かどうかを一番に重視してほしいです。
晴天のときだけ見るのではなく雨や雪などの悪天候時とか、昼間だけ見るのではなく夜間はどんな様子かなど、チェックすべきことは結構ありますよ。
土地の適正価格とは、そういったことを総合的に判断したうえで、納得できる価格のことをいうのではないでしょうか。
一方、土地の売却を考える方が、不動産業者に土地価格の査定を依頼するときには一社だけに絞らず、複数業者に査定依頼することをお勧めします。
その理由は、業者ごとに土地の評価基準が異なるので、査定価格も必ず異なるからです。
いくつかの査定結果を比較して、納得のいく価格を提示した業者に販売活動も依頼するのが良い売り方だと思います。
遠隔地の土地でも、今はネットでスピーディに査定してもらえるので便利ですね。






